企業インタビュー

Interview
Photo by nappye
@尾根緑道

2代目の気負いは全くない。
ここからは蔵家の第2ステージ

有限会社 蔵家 代表取締役 浅沼 芳征

町田を代表する酒屋の一つ、蔵家の長男として生まれた浅沼芳征さん。大学卒業後、企業のPRイベントやタイアップ等の企画をプロデュースする電通マンだった。家業を継ぐため入社20年を機に退社し、今年10月1日、代表取締役に就任した。

Q 20年も広告マンとしてやってこられた後、蔵家に入られて戸惑いや衝突はありませんでしたか?

A 蔵家は駅から歩けない立地の酒屋ですが、お陰様でいつも賑わっていて、お店大賞のグランプリを頂いたり、ある程度成熟していると思うんです。 だから、最初の1年は色々なことを吸い上げるべきと思って黙って聞いていました。 2年目からは社長と現場との緩衝役のような事もやり、今は会社全体を見て、新たなチャレンジを始めるべく頑張っています。 意見されたり、勿論衝突もありました。例えば、今年の7月に、他の酒屋さんと一緒に「ニッポンのさけまつり」というイベントを開催したんですが、「そんなことするの!?!?」と驚かれました。 酒屋は競合していますから何かを一緒に、なんて今までは有りえなかったんです。 でも、町田の人たちにもっと日本酒と触れあって欲しい、そう思ったんです。 3社でスクラムを組めば1社では出来ない何かがあるんじゃないかと。 最初は僕も手探りだったんですが、奇跡のタッグとして業界紙にも取り上げられました。 タブーに挑戦するとか、そういう何かをしていかないと見えないものも見えないままだと思っています。僕は外様なので好き勝手言えるというか、タブーも含め、常識にとらわれずチャレンジしていきたいんです。

Q ご両親は町田でもとても有名ですが、そのご長男ということはプレッシャーになったりしませんか?

A 父や母を超えなきゃ、という気負いはないですね。蔵家がやってきたことを踏襲する事はアグリーだし、余計な使命感はないんです。 逆に外にいた時期が長くて様々な経
験やネットワークもあるので、いい形で蔵家を変えていければと思っています。好き勝手といったら語弊がありますが、違う路線でチャレンジしたいですね。蔵家の第2のステージ
を創れれば、と。

Q 最後に豊富をお願いします。

A 社員には、名指しでお声掛け頂けるようなタレントになって欲しいと言っています。 タレントの集まりが蔵家で、チーム蔵家として強さを発揮する。 そして、わざわざ駅から離れ
たあんなところに来て下さっているお客様に、来て良かったと思ってもらえる酒屋であり続けたいですし、一方で木曽という場所もずっと大切にしていきたいと思っています。

Company Profile

有限会社 蔵家
創業 昭和49年
業種 酒類販売
町田市木曽西1-1-15
[TEL]
042-793-2176

kawasemi 2015.10 vol.119
「俺達、2代目」より抜粋